金持ちになる②
金持ちになる。
そう決めたのはいつだったか、なぜだったかもう思い出せない。
今日はお金の話。
ただし、お金に関する知識がまだまだ乏しすぎるので、あまりでしゃばらないように気をつけながら、自信なさげに気弱にいく。
誰もが金持ちになりたいと思っている。
「金なんかいらない」とか、
「金欲にまみれた人間はまっぴらだ」とか
「貧乏でも幸せだ」
「収入が低くても、今の仕事にやりがいを感じている」
と皆が口を揃えて言っている。
わかる。俺もそう思っていた。
だが、俺は金持ちになる道を選ぶことにした。
俺はただの平社員だ。
職種は介護。
職場は何度か変わったが、20歳からこの仕事を続けている。
20代の頃はまだ良かった。安い給料でも。
独身だったし、将来の不安なんてもんはなかった。遊びたいだけ遊んだし金は使いたいだけ使った。貯金なんてする理由もなかった。
だが、今年で37歳になる俺は、やっと自分の将来について真剣に考えるようになった。
介護の仕事は、一部を除きそのほとんどは身体を酷使する。
腰痛に悩む人が多いし、精神的ストレスはかなり大きい。サービス残業も多い。
たしかに、好きだからこそ続けてこれた仕事だろうが、体力面も精神面も限界を感じることが多々ある。
話が少し逸れてしまった。
そう。この仕事を続けていくのはもう難しい。
しかし、他に何も資格なんて持っていない。
結婚した。家を買った。子どもが生まれた。
嬉しくて嬉しくて、こんなに幸せなことが今まであっただろうか。俺はこの幸せに出会うために生まれてきたんだと心からそう思った。
これから先ワクワクすることがたくさんあるはずなのに、同時に未知数の不安が側についてくる。
なぜ、こんなにお金のことで悩まなければいけないんだろう。
お金に関する悩みのない人間は、ほとんどいないと思う。
会社の上司だってそうだ。
俺より給料を多く貰っている人だって、俺の倍以上貰ってる人だって、たぶんみんな同じように悩んでいる。
俺は幸せになりたい。家族を幸せにしたい。
多くの時間を大切な人と過ごしたい。残業なんてしてる場合じゃない。
今現在、お金に関する勉強をしている。
とりあえず本を読みまくっている。
まだまだ時間はかかるだろうが、幸せになるため、金持ちになるためならば、その時間さえも自己投資と言える。
それに、煙草もやめた。
健康面、周囲の人への影響ももちろんだが、
喫煙に要する時間。
吸えないときのイライラ。
出費。
これらは完全に無駄だ。
そう思ったら簡単にやめることができた。
今は煙草の代わりに食後はコーヒーを飲み、そのあとキシリトールガムを噛んで本を読んでいる。
「金持ちになるなんて無理だ」
「金を増やすには金が必要だろう」
「投資は危険だ」
よく耳にする言葉だ。
だが、人間は自分が考えた通りの人間になる。自分が言った言葉通りの人間になる。
「投資は危険だ」という人は、お金や投資に関する用語や知識を理解していないから危険だと感じるのだ。
「投資はリスクが大きい」という言葉は、
「知識がない者が投資に手を出すのはリスクが大きい」と言い換えることができる。
本当にまだまだ勉強不足なので、このへんでやめておこう。
人間は、自分が考えた通りの人間になる。
言った言葉通りの人間になる。
ならば、
俺は金持ちになる。