イコンタ同盟

This is love.

フィルムカメラを始めようとしているアナタへ。

いつか記事にしたいと思っていた。

 

フィルムカメラで写真を撮るようになって、早6年。

今日は、イコンタ同盟的写真論は置いといて、この令和元年にフィルムカメラを始めようとしているアナタへ送る。

 

まずはじめに。

 

何を撮りたいか。風景か、人物か?

 

よくこんな選択を迫られるだろ?それによって選ぶカメラが決まると。

 

そんなのはどうでもいい。くだらんぜ。

 

もしかして、フィルムカメラが、なにか難解なモノだと思っているだろ?

俺にとっちゃ、デジタルカメラの方がよっぽど難解で、自分の思い通りにならない厄介なシロモノだ。

 

見た目で選んでオッケーだ。

カッコいいコレ。

かわいいコレ。

それでオッケー。

 

使い方は、手に入れてから学べばいい。

ネットでいくらでも情報が得られる。

そんな時代だ。

 

まぁ、それでは何のアドバイスにもならんので、ここから、小難しい説明は出来る限り排除して、イコンタ同盟おすすめカメラを紹介する。

 

その1

ニコン F

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もう手元にないが、大好きなカメラだ。

これは一眼レフカメラ。完全機械式。金属の塊。ブラックペイントもある。

1959年に発売開始。

状態にもよるが、俺はこのカメラを15000円で手に入れた。

カックカクのデザインがめちゃくちゃかっこいい。

ファインダーを覗いて見える景色が、そのまま写真になる。

完全機械式ということは、フィルムの巻き上げ、巻き戻し、シャッタースピード、レンズの絞り操作はすべて手動だ。

シャッターボタンを押したとき、ファインダーは一瞬、ブラックアウトする。今、写真を撮っているんだという気にさせる。

ほとんどの操作、選択を自動でしてくれる、キレイに撮れて当たり前の現代のデジタルカメラ

当たり前に普通に写す。その仕組みを教えてくれるカメラがFだ。

操作のひとつひとつにごとに、Fの内部の精巧、緻密、無機質な歯車の動きが手に伝わる。この精密機械が、自分の手の中にあることを誇りに思い、密かに笑みを浮かべるだろう。

使い心地も、慣れれば何の問題もない。

何度も地面に落としたことがあるが壊れたことはない。少しデカくて重いが、他に何も不満はない。質実剛健。頑丈でいて壊れようがない。

なにより、シャッター音が良い。そのシャッター音は官能的とすら言える。撮っていることを自意識させ、撮られていることを他意識させるのだ。

一生使える。買え。

 

その2

ニコン ニコマートFtn

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同じく、ニコンから。こちらも完全機械式の一眼レフカメラ。Fとの違いは、露出計を内蔵しているところ。

露出計??は??

露出をはかる機構を備えているのだ。

露出っていうのは、写真を適正な明るさで撮るための目安。

シャッタースピードとレンズの絞りと、フィルム感度によって決まる。

訳が分からんだろ?ん?

その訳分からんことを、解決してくれるのが露出計なのだ。初心者は勿論、誰にでもオススメできる。ニコンFよりもお求めやすい。状態の良いものを選んで欲しい。買え。

 

その3

イカ M4-2

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イカという名前のカメラを聞いたことがあるか。これはM型ライカ。完全機械式。

これは、上記の一眼レフカメラとは別物。これはレンジファインダーカメラというやつだ。

まず、カメラの構造がまったく違う。説明は省くが、ズームレンズは使えない。一眼レフカメラよりもコンパクト。

乱暴な例えだが、写ルンですを知っているだろうか。その写ルンですのファインダー中央にピントを合わせる枠がある。もうひとつ、虚像が見える。実像と虚像の二重像が重なったら、ピントが合ったということだ。

一眼レフカメラとの違いは、ファインダーの見え方にもある。一眼レフはピントが合っていない部分はボケて見える。一長一短だ。どちらが優れているというものではない。

 

M型ライカは、最初のモデル、M3から始まる。

M3は、カメラ史上最高のファインダーを備えている。唯一無二、孤高の存在。原点にして頂点。その明るく美しいファインダーは、現代の技術では再現不可能とさえ言われている。

M3以降、M2,M4,M5,M6,M7までがフィルムカメラであり、それ以降はデジタルカメラだ。

数多くのモデルが存在するため、どれにするか迷うだろう。どれを選んでも間違いはない。

一般的には、初心者には露出計内蔵のM6が向いていると言われている。好きなものを選べばいい。

イカは、高級カメラというイメージがあるかも知れない。間違いではない。比較的、人気のない M4-2 も10万弱だ。さらにレンズも買おうとすれば、5万は必要になるかもしれない。

だが、よく考えてほしい。

フルサイズデジタル一眼レフカメラと対応するレンズやミラーレスカメラのフラッグシップモデルの値段は?軽く30万オーバーだ。

3年後には型落ちの電化製品に成り下がる。

 

イカを使いたい、欲しいという人がいるのなら、遠回りせず、頑張ってお金を貯めてくれ。

絶対に後悔はしない。絶対にしない。

いつかはライカ

「いつか」じゃない。カネなら何とかなる。

買うなら今だ。

 

その4

イカ Ⅲa

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上のライカ M4-2よりも遥か昔、1930年代のカメラだ。バルナックライカともいわれている。

M型よりもさらにコンパクト。

見た目もクラシックカメラそのものだ。

本当にこんなもので写真が撮れるのかと疑いたくなるだろう。ファインダーが小さいのでやや見づらいが、そのピント合わせのしやすさはM型以上だと思う。軽快さもM型を上回る。店頭で手に取って確かめてほしい。その金属の質感を。レンズは、やはりエルマーを推す。

死ぬまでに買え。そして死ぬまで使え。

 

その5

コンパクトフィルムカメラ

 

は?おい、なんだその雑なオススメは。

色々ありすぎて、ひとつに絞れんのだ。

じゃー、

RICOH GRシリーズ

悪いが、俺は使ったことはない。

欲しい。ググれ。そして買え。

俺が欲しいモノを列挙する。ググれ。

 

オリンパス XA

オリンパス μ(ミュー)

コニカ BIG mini

Canon AutoBoy

使ったこともないくせに。申し訳ない。

だが、大変優秀なレンズを搭載していると聞く。しかも、面倒な操作はいらない。すべてオート。シャッターボタンを押すだけ。

俺の代わりに使ってくれ。買え。

 

〈超番外編〉

「超」「番外」ということは、つまりオススメはしないという意味だ。だが、興味を持ってくれたら嬉しい。

なぜオススメしないのか、その理由は、たくさんの枚数が撮れないからだ。

中判フィルム、120フィルム、ブローニーといわれるフィルムを使用する。

これは一般的な135フィルムよりも大きい。

これから紹介するのは、中判カメラ。

 

これが一般的な135フィルム。

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こっちが中判フィルム

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サイズの比較

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こんな言葉を耳にしたことがあるだろう。

「一眼レフ並みに綺麗に撮れる」

ま、スマホのカメラの宣伝文句にありそうなやつ。デジタル一眼レフカメラのセンサーサイズは大きい方がキレイに撮れるといわれている。フラッグシップモデルに搭載される「フルサイズ」とはつまり、135フィルムと同じ面積のことだ。

フィルムで撮ればフルサイズさ。

そして、そのフルサイズを遥かに上回る中判フィルム。

ん?どうだ?欲しくなっただろ?

話が長くなった。

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ZEISS IKON SUPER IKONTA 531

カッコいいだろ?

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折り畳める。

 

超番外編は、蛇腹カメラだ。

これはツァイス・イコン社のスーパーイコンタ531

スーパーセミイコンタとも呼ばれる。

友人から譲り受けた大切なカメラだ。

 

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こちらは、同じくツァイス・イコン社

スーパーイコンタ530/16

正方形の写真が撮れる。

なぜ、中判カメラの中から蛇腹カメラをオススメするのか。

精密機械と蛇腹、山羊の革。

カッコいい。それだけだ!

ピント合わせもやりづらい、操作手順が多い、たくさん撮れないなど、ネガティブ要素が多いと感じるかも知れない。

富士フィルムには全自動中判フィルムカメラもあるぞ、安心しろ。

画質は135フィルムを遥かに凌駕する。だが、画質ばかり気にしていても写真は楽しくないし、そんなことはどうだっていい。

デジタル一眼レフカメラと超対極にある。

写真行為をしているという気にさせるカメラ。

 

他にも中判カメラはたくさんある。けど、使ったことないからやめとこう。

有名どころだと

ローライフレックス 

ハッセルブラッド

ペンタックス67

 

とか?

 

・おわりに

初心者にとっては、未知の世界だろう。

露出?現像ってどこですんの?やっぱりデジカメの方がいいのかな?

うん、分かるよ。分かる。

だがなー、デジカメなんかいつでも買えるんだよ。今のうちにフィルムカメラ買っとけ。

なぜフィルムで撮るのか。そのこと自体に疑問を持つ瞬間もあるだろう。

 

ハッキリと言う。

デジカメじゃなくて、フィルムで撮ってる俺ってカッコイイ。

それでいいんだ。

フィルムカメラが持つ雰囲気。スローライフ的なフワッとした幻想なんぞ俺は見ていない。

 

バッチバチの真剣勝負だ。

過激すぎる例えだが、

いつでも誰でもブッ殺す覚悟でやっている。

 

趣味っていうのは、ある程度時間をかけて、数年をかけて上達するものだ。

 

もし、少しでもフィルムカメラに興味が湧いたのなら、躊躇せずに飛び込んで欲しい。

困ったことがあったら、いつでも相談に乗る。

 

いつか、撮った写真を見せてくれ。

そして、写真の話をしよう。

 

写真の中の景色が、アナタを待っている。