イコンタ同盟の秋
フィルム
現像
ライカ
イコンタ
露出
これらの言葉を、生きている間にあと何回、口にするだろうか。
同時に、口にせずに一生を過ごす人はどれくらいいるだろう。
写真とは、一体何なのか。
そんなことを考えずにはいられなくなった。
仮にその答えが分かったとして、幸せになれるのか。
その考えに共感してくれる人はどれくらいいるだろうか。
写真とは何なのか。
何かしなければいけない。落ち着かない。焦っている。
Instagramを介して、とある人から森山大道のドキュメンタリーや中平卓馬の言葉を教えてもらった。
衝撃を受けると同時に、自分が間違っていなかったのだと確信する部分もあった。
何を撮っているか分からないものもあるし、何が良いのか分からないものもあるが、どれも紛れもなく写真である。
意味深難解写真を散々嫌い、コケにしてきたが、ひとつ言えるのは、「俺」が撮ったもの、写したものが間違いなく写真であるということに変わりはないということだ。
他人の写真については、分からん。
分かる訳がないのだ。
俺がその時この眼で見て、その場にいた。
シャッターを切った。見たものを残そうとした。それが事実である。それがすべてである。
露出がアンダーだろうと、ブレていようとも。
自分でも何を言ってるのかよく分からん。
誰かに評価されたいがために写真を撮るのではない。
これはやや虚勢を張っているが、ほとんど正しい。
写真とは記録である。
やはりそうだ。
意識の中に第三者の介入を完全に拒絶することは可能か。
写真は芸術ではない。表現でもない。
俺は、自分が撮った写真を「作品」と呼ぶことは、今後もしないだろう。
そんなことを考えながら、久しぶりにスーパーシックスの空シャッターをカチっと切る。
なりふり構わずイコンタで撮りたいという思いが、また再燃してきた。
FOMAPAN400を装填し、たった5分程で11枚を撮り切った。
迷いは消えた。
牛に食わせるほどの大量のフィルムが欲しい。