露出
1/1000秒って、どんな速さだろうか。
Ⅲaで1/1000を切ると、「バチンッ」と、なにか弾けるような音がする。
最初は、この音を耳障りに思っていたが、最近少し好きだ。
主に使っているフィルムはISO400
晴れたらセンパチ(超晴天時)
シャッタースピード1/1000と絞り8
これは、ライカを買う前から、Fで実践していた。
フツーに晴れてたら、一段落として500と絞り8
やや曇りなら、更に一段落として250と8
といった具合。
やや暗い室内ならば、6段落として…
えーと、
1000
500
250
125
60
1/30と絞り8
実際には心配なので、1/30と5.6とか、その時の感覚で決めている。
ややアンダーになったり、オーバーになったりすることはあるが、しっかり写っている。
この「勘露出」を、実際にやり始めたのは、ニコンFからである。
それまでは、露出計内蔵のニコマートFTNを使っていたので、露出の失敗は皆無だった。
しかし、いつのまにか露出計を見ながら撮るのが面倒に感じるようになった。
よーし、それならば、露出計ナシの、ニコンのかつてのフラッグシップ機、伝説のFを。
ニコマートから電池を抜けば済むことなのに…。
Fを買って、まず適正露出表(?)を頭に叩きこんだ。
その頃はカラーの感度100を使っていた。
晴れたら1/500と5.6
これをひとつの基準とした。
歩きながら露出を決めて、ダイヤルや絞りを調整する。
ああ、露出計がないって、素晴らしい。
露出計に頼らずに撮っている俺ってカッコいい。
露出計があると、なんだか露出計に縛られているような踊らされている気になってしまうのだ。
最初はおっかなびっくりだが、多少の失敗も重ね、今では勘露出には自信があるつもり。
失敗したとしても、たぶん、プラマイ1段以内。
もう私には露出計内蔵のカメラは必要ない。露出計が故障したとしても写真は撮れるが、精神衛生上、あまり良くない。
露出計に頼りきっていては、電池が切れたときに困ってしまうかもしれない。
完全機械式カメラが最強最高至高 と言うつもりはないが、それでも、持っていて、使っていて満足度は高い。
この80年も昔にドイツで作られたカメラが、第二次世界大戦を乗り越えて今、手元にある。今も使える。写真が撮れる。
奇跡だ。
この1台とイコンタ(中判)さえあれば、もうカメラは他に必要ないかもなぁ と思うことさえ、たまにある。
たまに、稀に、ほんの一瞬だけね。